1-1 目の仕組み―焦点(ピント)―

視力回復トレーニングは目の仕組みを理解していると効率的です.ものを見るとき,人間の目は「焦点(ピント)」と「照準」を自動的に合わせてくれます.このページでは焦点について説明します.

目の仕組み

まずは簡単に目の構造から説明します.物理っぽい話は雰囲気だけ掴んでもらえれば大丈夫です.
目の仕組み.水晶体(レンズ),網膜(スクリーン),毛様体筋(レンズを調整)が大切です.
図1-1 目の構造

凸レンズの仕組み.目の仕組みと同じです.
図1-2 レンズの仕組み.目の仕組みとほとんど同じです.


目の仕組みは中学で習う凸レンズの仕組みと大体一緒です.外から目に入ってきた光は『レンズ(水晶体)』を通って『スクリーン(網膜)』に映し出されます.私たちが物を見る時は,このスクリーンに映った像を見ているのです.このとき,レンズの焦点の位置が合っていればスクリーンにクッキリと物が映り,クッキリと物を見ることができます. 虫メガネの様な普通の凸レンズだとこの焦点の位置が決まっているため,クッキリ見える物の位置は一か所しかありません.しかし,人間の目は素晴らしい機能を備えていて,『レンズを調節してくれる筋肉(毛様体筋)』がレンズを変形させることによって,レンズの焦点の位置を動かすことができるのです.この筋肉が働いているから色んな距離にあるものをクッキリ綺麗に見ることができます.視力回復にはこの筋肉がうまく働いてくれれば良いのです.

焦点(ピント)

目の焦点の調節の機能についてもうちょっと詳しく見てみます.
目の仕組み.焦点(ピント)調節機能
図1-3 目の焦点調節機能

片方の目を手で覆って距離の違う2つの物を見てみてください.遠くの物を見ると近くの物はボケ,近くの物を見たら遠くの物はボケてしまいますよね.何かを見たいと思ったら目とその物との距離に合わせてレンズの厚みが調節されて,その距離専用のレンズが出来上がるのです.そのため,見たい物よりも遠かったり近かったりする物はボケてしまいます.図1-3でレンズが変形して,焦点の位置が変わっている様子がわかるかと思います.

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